口腔機能低下症が疑われた場合、どのような検査を行うことで診断が可能できるようになるなるのでしょうか? 今回は、検査項目、検査方法について解説していきます。
①検査項目 |
口腔機能低下症の診断においては、以下の7項目の検査を行います。
口腔衛生状態
口腔乾燥
咬合力低下
舌口唇運動機能低下
低位舌
咀嚼機能低下
嚥下機能低下
以上の検査を行い3項目以上あてはまった場合口腔機能低下症の診断となります。
②検査方法 |
口腔機能低下症の詳しい検査方法、判断基準について見ていきます。
①口腔衛生状態
舌苔の付着度合いを目視し、Tongue Coating Index(TCI)とよばれる評価指標をもとに判断します。
TCIのスコアが9点以上(50%以上)の場合、口腔衛生状態不良に該当します。
②口腔乾燥
口腔水分計とよばれる専用機器で口腔粘膜湿潤度を測定するか(ムーカス等)、ガーゼを舌の下に置き唾液量を計測します(サクソンテスト)。
口腔水分計の測定値が27.0未満(ムーカス)、またはガーゼの重量が2g以下の場合に口腔乾燥と判断されます。
③咬合力低下
咬合力計や咬合力測定フィルムを強く噛み締めたときの咬合力または、残存歯の本数に応じて咬合力を判断します。
咬合力計、咬合力測定フィルムの検査値が基準値以下、または残存歯の本数が20本未満の場合に咬合力低下と判断されます。
④舌口唇運動機能低下
10秒間にわたって「pa」、「ta」、「ka」の音節を発音させ、その回数に応じて判断します。
1秒あたりの発音回数が6回未満の場合、舌口唇運動機能低下と判断されます。
⑤低位舌
舌圧測定器を用いて舌を強く押し付けた力を測定します。
最大舌圧が30kPa未満の場合、低舌圧と判断されます。
⑥咀嚼機能低下
グルコセンサーで検査を行う場合、グルコースという成分を含んだグミゼリー2gを咀嚼させ、10mlの水を口に含んだ後、ろ過用のメッシュに吐き出させます。
吐出した溶液に含まれるグルコース濃度を測定します。
100mg/dl未満の場合は咀嚼機能低下と判断されます。
グミゼリーを使用する方法の場合、咀嚼し吐き出させた後、粉砕の程度を評価します。
⑦嚥下機能低下
嚥下機能は嚥下スクリーニング検査または自記式質問票によって評価します。
嚥下スクリーニング検査では、質問紙への回答の結果合計点数が3点以上で嚥下機能低下と判断されます。
また、詳しい話を知りたい方は日本老年歯科医学会のHPをご覧ください。
③まとめ |
以上が検査項目一覧になります。
SPTなどの継続管理を含めた患者の長期的な口腔機能管理を行える病院になることで、
患者さんのモチべーションの向上を行っていきましょう。
また、実際運用するために必要な、検査項目等の管理票と嚥下機能チェックリストのファイルを下記に添付しておきますので使用してみてください。
・嚥下スクリーニング検査質問票
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