今回からは、改定内容を項目別に仕組みを簡単にまとめてお話ししていきます。
今回は実態に合わせて大幅に改定され、より使いやすいものになったとされる
〈 口腔機能低下症 〉についてです。
はじめに口腔機能とは、
◻️ 噛み砕く(咀嚼)、飲み込む(嚥下)、吐き出す(呼吸)
◻️ 唾液を分泌する
◻️ 言葉を発する(発音)
◻️ 感情を表す(表情)
などに関わり、大きく分けると〈 食べる 〉と〈 話す 〉に必要な機能です。
口腔機能が低下すると、食事から十分な栄養が摂取しにくくなり、体力や免疫力の低下、病気や感染症に罹りやすくなります。また食事や会話に支障が出ると、他者とのコミュニケーションを取ることが億劫になり、身体的にも精神的にも不活発な状態になります。
健康寿命を延ばして充実した生活を送るためにも必要不可欠な機能であることが分かります。
口腔機能の低下はむし歯や歯周病などで歯を失うと低下しますが、加えて加齢変化や全身の疾患(脳血管疾患、神経疾患、認知症など)でも機能が低下する要因とされています。
口腔機能低下症の検査と管理は、平成30年度の診療報酬改定で初めて収載されました。
その後の改定ごとに内容の変更が行われてきましたが、今回の改定では大幅に内容の拡充がなされています。
これまで口腔機能についてあまり焦点を当てていなかった医院、先生方も多いと思います。普段とは馴染みのない算定項目もあるかと思いますが、一度仕組みを理解してしまえば増点にも繋がり、検査結果を基に患者さんの口腔機能管理の一部として取り扱っていただきたいと思います。
口腔機能低下症をチェックする検査項目です。
7項目のうち3項目の検査で【機能低下】と判断されれば、口腔機能が低下していることになります。
1,口腔衛生状態不良
2,口腔乾燥
3,咬合力低下
4,咀嚼能力低下
5,舌更新運動能力低下
6,嚥下機能低下
7,低舌位
次回の〈 口腔機能低下症 後編 〉では、実際に算定項目などを挙げてお話ししていきたいと思います。
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